サプリメントエビデンスラボ健康食品の「効能」と「科学的根拠」を一緒に読む

証拠の読み方:サプリ広告の大半は、5つの概念で自動減点できる

1. RCT(ランダム化比較試験)

参加者を抽選で「サプリ群」と「プラセボ群」に分ける試験。健康食品の研究で「信頼できる土台」はこれです。観察研究(「○○をよく食べている人は△△が少ない」)は相関を示すだけで、因果は示せません。健康食品の広告の多くは観察研究や試験管内実験をあたかも臨床効果であるかのように使います。

2. メタ分析

複数のRCTを統計的に統合したもの。単一の「画期的な試験」より、10件以上のメタ分析の方が強い証拠です。見るべき点:

3. 効果量(SMD):「有意」の大きさ

p値が「偶然ではない」を示すだけなので、「どれくらい効く」は効果量で見ます。目安:SMD 0.2=小、0.5=中、0.8=大。健康食品でよく出る 0.3〜0.5 は「効くが効きは穏やか」です。「劇的」「圧倒的」の宣伝と SMD 0.3 が並んでいたら、宣伝の方が嘘です。

4. GRADE確度(証拠の質の格付け)

同じ「有意」でも、証拠の質は 高/中/低/非常に低 に格付けされます。当サイトのランク(A〜E)はこの確度と試験数の総合です。確度「低」の単一試験に基づく主張は、将来覆る前提で読む。

5. 出版バイアスと業界資金

「効果が出なかった試験」は出版されにくい傾向があります。またサプリ研究は業界資金の割合が高い分野です。対策:独立資金のメタ分析を優先する、同じ結論に複数の独立グループが到達しているかを見る。

実戦的なチェックリスト(広告を見るたび)

  1. 出典はヒトのRCTか、動物・試験管か?
  2. 単一試験の引用か、メタ分析か?
  3. 用量は試験で使われた量と一致しているか?
  4. 「有意な差」の大きさはどれくらいか(SMD・%)?
  5. 効能表示が日本の制度(機能性表示食品の届出範囲)を超えていないか?

この5問で、市販の健康食品広告の大部分は「主張が証拠より大きい」と判定されます。それは「詐欺」というより、業界の標準的な書き方です。読み手側が減点する方法を持つことが唯一の防御です。